家族葬とは親しい人達だけ(主に親戚)で行う葬儀のことで、参列者を限定するお葬式を指します。
近年は家族葬を選ばれる方が増えており一般葬をされる方が減少してきましたが
- なぜ家族葬が増えてきたのか?
- 利用者の割合はどれくらいなのか?
このような疑問を持つ方も多いので、この記事では家族葬をされる方の割合や家族葬が選ばれる理由について詳しく説明いたします。
家族葬の割合について
「家族葬」という言葉が使われるようになったのは1990年代半ばで、2000年以降から徐々に認知されるようになりました。
「公正取引委員会」が調査した2017年のデータでは、全国の約3割が家族葬という結果になっています↓
公正取引委員会のデータ | |
葬儀の種類 | 割合 |
一般葬 | 63.0% |
家族葬 | 28.4% |
一日葬 | 5.5% |
直葬 | 2.8% |
社葬 | 0.3% |
公正取引委員会が葬儀社への質問で前年に比べ増加傾向にある葬儀の種類を聞いたところ「家族葬は51.1%」と最も多く、逆に一般葬は減少傾向にある葬儀として68.8%という回答でした。
一日葬・直葬・社葬についての件数は横ばいで、家族葬の割合が増え一般葬が減りつつあるというのが現状です。
他にも「鎌倉新書」の調査データでも、2015年から2017年にかけて家族葬の割合は増加しており、約4割が家族葬という結果となっています↓
鎌倉新書の調査データ | ||
葬儀の種類 | 2015年 | 2017年 |
一般葬 | 58.9% | 53% |
家族葬 | 31.3% | 38% |
一日葬 | 3.9% | 4% |
直葬 | 5.9% | 5% |
全国調査をした2つのデータを参考にすると、今は3割~4割の人が家族葬を選ばれています。
地域によっても差のある家族葬の割合
家族葬は地域によっても利用率がことなり、東京などの関東地方が増加傾向にあります。また、近畿地方も家族葬の割合が多く、大阪などの大都市が関係していると言われています。
参考になるデータとしては、「エンディングデータバンク」が調査した関東(東京・千葉・埼玉・神奈川)の葬儀割合を見てみると6割近くが家族葬を選択しています↓
葬儀の種類 | 割合 |
一般葬 | 17.1% |
家族葬 | 59.1% |
直葬 | 20.6% |
大型葬 | 3.2% |
※2017年のデータ
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一般葬が減り家族葬の割合が増加してる理由とは?
理由①派手な葬儀を望まなくなった
昔のお葬式は参列者を多く呼び豪華に最後を迎えるのが良いとされていましたが、時代の流れと共に派手な葬儀を望む方が減ってきました。
故人が望む葬儀としても「家族だけに見送って欲しい」「葬儀にお金をかけないで欲しい」という方が増えていることもあり、家族葬の需要が増えています。
理由②地域や親戚との交流が減った
昔は生まれてから亡くなるまでその土地で過ごす人が多かったですが、徐々に都心へと生活の場を移す人が増えました。
そのため、地域住民との交流や親戚とのつながりも薄れ、お葬式の小規模化が進んでいます。
理由③高齢化によって参列者が減った
歳を取れば付合いがあった友人が減ったり、職場とのつながりも疎遠となるため参列者は減ってきます。
高齢の知り合いが多いと体調の都合で参列できない方もいますし、高齢化の影響は家族葬の割合を増やしてる主な要因とも言えるでしょう。
理由④葬儀代の負担が少ないから
一般葬だと参列者が多いため食事や返礼品の出費が多いだけでなく、大きい葬儀会場・それに伴う祭壇のサイズ・人件費など多くかかりますが、家族葬は小規模なため一般葬より安くすみます。
高齢化に伴い医療費がかさみ葬儀代を出せないという家庭も多く、費用を抑える目的として家族葬を選ぶ方もいらっしゃいます。
理由⑤しきたりを気にせず自由な葬儀にしたいから
参列者が多く集まる一般葬では面識がない方もいるため「しきたり」や「おもてなし」が重視されますが、家族葬は親しい人達だけですので比較的自由なお葬式にすることができます。
僧侶を呼ばない無宗教葬や故人が好きだった物を食べるなど、様々なスタイルの葬儀が家族葬なら可能です。
また、一般葬だと挨拶や接待で慌ただしいですが、家族葬はゆっくりお別れできるので、そういった点で選ぶ方もいます。
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葬儀の内容も変わりつつあり
地域や親戚との付き合いが減り、高齢化に伴う参列者の減少で小規模な葬儀を選ぶ方が増えてきました。
また、「お葬式にはお金をかけないで欲しい」「家族だけに見送って葬儀してもらいたい」という方も増え、派手な葬儀を望まなくなったのも家族葬が増えている要因です。
ほとんどの葬儀社で「家族葬プラン」が用意され、家族葬専用ホールが立てられるなど葬儀業界も変わりつつあります。
家族葬なら故人とゆっくりお別れができ費用も抑えられる、そして自由な葬儀にしやすいので故人らしい最後を迎えられますが、良い面ばかりだけではありません。
葬儀に参列できなかった人とトラブルになったり、葬儀後に自宅への弔問が増えるなどの問題もあるため、良い面と悪い面をよく知っておくことが大切です。
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まとめ
家族葬の割合は全国だと3割~4割、首都圏だと約5割の方が選ばれている葬儀方法です。
家族葬と一般葬のどちらが良いかは故人の交友関係や遺族の考えで変わるので、よく検討してから選んでみてください。
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