献体(けんたい)とは医学発展のため、亡くなった方の体を解剖学教室などに提供することです。
ここでは、献体に関する気になる内容をまとめました。
- 献体した場合の葬儀代は?
- 遺骨はどうなるのか?
- お金がもらえるのか?
- 献体の登録方法は?
必ずしも献体ができるわけではないので、その点も含め詳しくご紹介いたします。
まずは献体がどういったものなのか簡単に説明するのでご覧ください。
目次
献体とは
献体(けんたい)とは、医学や歯学の発展のため、遺体を解剖学のために無償で提供することです。
これにより医師を目指す若者が勉強を行い、今後の医療をささえる一人となって社会へ送り出されます。
「自分が死んでから世の中の役に立ちたい」と望む方や「身寄りがなく献体に出したい」と言った方が多くなり、近年は献体が増加傾向にあります。
献体するには事前の登録が必要ですがお金は一切かかりません。
献体するとお金がもらえる?
献体は無償でご遺体を提供するのでお金はもらえません。
ただ、私の友人から聞いた話だと、叔父を献体に出した時に3万円のお金がもらえたと言ってました。
献体に出す大学によって違うのかもしれませんが、基本的には無償で提供することになります。
献体後はどうなる?
解剖が行われた後は火葬されるので、遺骨として遺族の元に返還されます。
火葬代については献体する側が負担してくれるので、こちらで費用を持つことはないです。
返還される期間については数か月の場合もあれば3年かかる場合もあり、いつ返還されるかは分かりません。
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献体した場合、お葬式はどうするの?
献体する場合でも、お葬式することはできます。
- 献体に出す前にお葬式を行う
- 献体が終わった後にお葬式を行う
お葬式の方法は自由ですが葬儀代については実費となります。
ただ、お葬式する決まりはないので、何もせず献体に出しても構いません。
献体前にお葬式をする場合だと、お通夜と告別式を行った後に登録先の団体に運ばれることになります。
そして献体後は遺骨として遺族の元に返還されます。
お葬式にかかるお金については「葬儀費用の相場」を参考にしてください。
遺骨がいらない場合
献体した後に遺骨がいらない場合、大学側で持っている共同墓地に無料で納骨してもらうことができます。
他の方の遺骨と合わせてしまう合祀(ごうし)での納骨となりますが、遺骨を受け取らないという事も可能です。
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献体する際の流れ
- ご臨終
- 献体登録大学に連絡
- お葬式(やらなくても可)
- 遺体の引取り
- 解剖実習
- 数か月~3年後に火葬
- 遺骨の返還(受け取らない事も可)
お葬式する・しないにかかわらず、亡くなったら献体を登録してる大学に連絡してください。
お葬式を行うことを伝えれば、葬儀の日程などに合わせて引取りに来てくれます。
※お葬式を行う場合は葬儀社へも連絡します。
注意!献体できない場合もある
献体ができない理由は2つあり、1つ目が「家族全員の合意が必要」なので、1人でも反対されている方がいると献体はできません。
献体に登録する際に肉親の同意が必要で、さらに死後献体として提供する際にも同意が必要となります。
2つ目が「事故により遺体が損傷していたり、臓器提供する場合」も献体できません。
またB型・C型肝炎、HIV(エイズ)、梅毒、結核、重度の肝硬変症、局所的な壊死(特に手足)があると、献体できないこともあります。
献体の登録方法
献体を希望するなら、住んでいる地域の医科または歯科の大学か、献体篤志家団体に登録が必要です。
登録は本人が行いますが、遺族がいる場合は同意が必要になります。
申請すると申込み用紙が送られてくるので、必要事項の入力、捺印、肉親者の同意の印をもらい申請してください。
申請が受理されると会員証(献体登録証)が届きます。
会員証は献体登録をした証となるので、財布に入れたり遺族が分かる所に保管しておきましょう。
会員証には死亡時の連絡方法が書かれているので、亡くなったらそちらに連絡してください。
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最後に:献体で解剖を行った医学生の声
故人が献体を望んでいるけど、遺族としては賛同できないと言う方もいると思います。
同じように献体に反対される遺族がネットの掲示板に質問しており、その解答に解剖を行った医学生の声が載っていました。
献体の見方が変わるかもしれないので一部ご紹介します。
現在内科医をしている元医学生です。
十数年前、半年間に及ぶ解剖学実習を経験しました。
初日、黒いシートに包まれたご遺体に対面した時の衝撃は今でも忘れません。
その後、来る日も来る日もご遺体と向き合い、解剖をさせていただきました。最終的には、原形をとどめていない形まで解剖しましたが、これも一重に献体してくださった方の崇高なご遺志に報いるべく、細部の細部にわたるまで観察させていただいた結果でした。
実習中はつらく、くじけそうにもなりましたが、今、自分があるのは献体された方の崇高なご遺志と、ご遺族の理解の賜物であったと思います。実習終了後は、ご遺族の方とお会いし、火葬にも立ち会わせていただきました。
その折には、生前のご様子を聞き、また我々は献体されたご本人のおからだのことについての質問に答えるなど、故人を偲んだものです。献体する希望を示されたお父様(お母様??)に敬意を表しますが、ご家族からしたら、なんとなく理解しがたい部分もあるのも当然だと思います。
どのような結論に達するかわかりませんが、医学生および医師はみな、私と同じように感謝すると思いますよ。
参考:発言小町
献体は医師を目指す若者が勉強を行い、今後の医療をささえる一人となって社会へ送り出されます。
世の役に立つことは事実ですので、故人の遺志をじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
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