一日葬はお通夜を省き告別式だけ行うお葬式ですが、マナーについてよく分からない方も多いと思います。
ほとんど一般的なお葬式のマナーと同じですが一日葬ならではの注意点もあるので、ここでは参列側と遺族側が知っておきたいマナーについて詳しくまとめました。
目次
一日葬に参列する際のマナー
①服装は喪服が基本
一日葬はお通夜をやらず簡略化された葬儀ですが、服装については喪服着用がマナーです。
喪服とは生地の色味が普通の黒よりも深くなっており、黒いビジネススーツと比べると明らかに黒の色合いが違います。なので、喪服の中に一人だけビジネススーツを着てると目立ちます。
喪服がない場合はビジネススーツでも構わないですが、黒めでストライプなど柄が入っていないものを選んでください。
学生の場合は制服やリクルートスーツで参列しても構いませんが、これから社会人となる大学生ならお葬式に参列する機会は増えてくるので、喪服を買っておいてもいいでしょう。
ちなみに、遺族から平服でお越しくださいとアナウンスがあるかもしれませんが、平服=普段着ではありません。
お葬式で言われる平服とは略喪服となり、男性なら黒いビジネススーツ・女性なら黒いワンピースやアンサンブルなどになります。
喪服には正喪服>準喪服>略喪服の3つの格式があり、お葬式に着て行く喪服として1番多いのが準喪服となります。略喪服は普通の黒いスーツ(ビジネススーツ)、ワンピース、アンサンブルなどになります。
詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓
②香典は用意するのが一般的
一日葬といっても香典は持参するのがマナーです。
ただし、遺族から香典を辞退すると連絡があった場合は持っていかなくて構いません。
「他の人が持参していたらどうしよう」と思うかもしれませんが、香典を辞退しているのに無理に渡すのはかえって遺族に迷惑なだけです。
遺族としては香典返しなどの手間を減らしたいと考えているので、辞退の連絡があった場合は渡さないのがマナーとなります。
③火葬場へは親族だけが行く
一日葬は午前中から始まり、「告別式→出棺→火葬→精進落とし」の流れで進行しますが、遺族と親族以外は故人の出棺を見送ったら帰宅するのが一般的です。
火葬場へは身内だけが行くもので、その後の食事(精進落とし)も一般の方には用意されていません。
故人と最後までお別れしたいからといって火葬場に行くのはマナーに反するので、遺族からお誘いがない場合は出棺後に帰宅してください。
※遺族からお誘いがあった場合は火葬場に同行して構いません。また、予定があり同行できない場合は断っても失礼にはならないです。
一日葬に参列できなかった際のマナー
①後日、自宅へ弔問する場合
一日葬は午前中から開催されることが多いので、仕事の都合で参列できない人も少なくありません。
その場合、後日自宅へ弔問に行かれる方もいますが、遺族の負担となることをよく考えてから行ってください。
弔問客が1人や2人ならいいですが、それが何十人にもなると1人ずつ対応する遺族はとても大変です。
弔問する場合は遺族の都合に合わせたり、他に弔問する人を知っているならなるべく一緒に行ったりして遺族の負担を減らす配慮をしてください。
お葬式は想像以上に体力を使うので、葬儀が終わってから1週間以内の弔問は避け、あまり長居しないようにしましょう。
②遠方に住んでる場合
遠方に住んでいて葬儀に参列できなかった場合、弔意を示す方法として弔電や香典・供花を送るなどの方法がありますが、遺族がそれらを辞退していないか確認してから送ってください。
一日葬ですと香典や供花を辞退している人も中にはいるので、辞退していたら無理に送らずお悔やみを伝える電話くらいに留めておいてください。
※弔電については辞退していない事が多いので送っても大丈夫です。弔電はお返しの必要がないので、遺族が受け取っても負担にならず弔意を示す際におすすめの方法となります。
一日葬を開く遺族のマナー
①菩提寺の了承を得る
菩提寺(お付き合いしてるお寺)がある場合、事前に一日葬にすることを伝えておかないとお墓に納骨できない事があるので注意してください。
お寺によっては宗教的儀式を省く葬儀の供養をお断りしていることがあり、先祖大体のお墓に納骨させてくれないかもしれません。
一日葬ですと約2割くらいのお寺が葬儀の供養をお断りすると言われているので、事前に相談し了承を得ておくようにしましょう。
②親族の了承を得る
親族に宗教的儀式を重んじる人がいる場合だと、一日葬に反対される恐れがあります。
故人の遺志で簡素な葬儀を望んでいたとしても、納得できず批難されることもあるので、事前に相談しておいてください。
「もう決めたので納得してください」では相手もいい気持ちではないので、相談する姿勢で話した方が了承が得やすくなります。
③香典返しや返礼品を用意する
一日葬であっても返礼品を用意したり、香典返しを送るのがマナーです。
返礼品とは参列して頂いたお礼に渡す品のことで、香典を貰う・貰わないにかかわらず用意しておきます。
香典返しとは頂いた香典金額の半分~1/3をお返しするもので、四十九日法要のタイミングで郵送するのが一般的です。
香典返しなのですが返礼品の金額と相殺して考えてください。
例えば3万円の香典を頂き2000円の返礼品をお渡ししていたら2万8000円の半分~1/3を香典返しとしてお返しします。
5000円の香典を頂き2000円の返礼品をお渡ししていたら、半分くらいお返ししているので香典返しは必要ありません。
④参列を限定した場合は後日訃報を伝える
一日葬ですと参列者を親戚や親しい人達だけに限定することもあります。一般の方には亡くなったことを伝えずに葬儀してしまうので、葬儀が終わってから訃報を伝えてください。
訃報を必ず伝える必要はないですが、故人が生前お付き合いしていた人には礼儀として連絡しておいた方がいいでしょう。
訃報の連絡は手紙やハガキを送り、身内のみで葬儀したことや連絡が遅くなったお詫びを記載します。また、香典や供花を辞退する場合はその旨も書いておきましょう。
父 〇〇儀 〇月より入院療養中でございましたが
去る○月○日 〇〇歳にて永眠いたしました
ここに生前のご厚誼に感謝し 謹んでご通知申し上げます
葬儀につきましては誠に勝手ながら近親者のみで執り行いました
お知らせが遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます
尚 ご香典やご供花等につきましても故人の遺志により辞退させていただきたくお願い申し上げます
令和〇〇年○月○日
東京都〇〇区〇〇ー〇〇
喪主 〇〇
まとめ
一日葬のマナーについて説明しましたが、基本的なことは一般的な葬儀マナーと同じです。
異なるのは遺族側のマナーで、菩提寺や親戚の了承を得ておかないとトラブルになる事があるので、その点だけ注意してください。
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