簡素な葬儀で費用が抑えられる「直葬」は、大都市を中心に利用者が増えている葬儀方法です。
この記事では、直葬(火葬式)における全体の流れや、準備しておきたい事について詳しくまとめました。
一般的な葬儀の流れと何が違うのかについても説明しているので参考にしてください。
直葬はすぐに火葬する葬儀方法
普通のお葬式であれば葬儀1日目にお通夜、2日目に告別式と火葬を行いますが、直葬は儀式を全て省略し火葬しか行いません。
ただ、お坊さんをお呼びすることは可能で、直葬の場合は火葬場で読経をしていただけます。(火葬場での読経が難しい場合は出棺前に行います。)
参列者は遺族や親しい人達が中心となるため5人~10人くらいとなり、火葬後に食事もせず解散することが多いです。
では、ご臨終から直葬終了までの流れについて、一般葬と比較しながら説明いたします。
直葬の流れ
直葬(火葬式) | 一般葬 |
ご臨終 | ご臨終 |
安置 | 安置 |
打ち合わせ | 打ち合わせ |
納棺 | 納棺 |
なし | お通夜 |
なし | 告別式 |
出棺 | 出棺 |
火葬 | 火葬 |
骨上げ | 骨上げ |
なし | 食事 |
解散 | 解散 |
直葬の流れを見てみると、一般葬との大きな違いはお通夜・告別式・火葬後の食事がない点で、大幅に簡素化されています。
では、ご臨終から火葬終了後までの流れについて、もう少し詳しく説明しますのでご覧ください。
①ご臨終
病院で亡くなった後は葬儀社に連絡し故人を迎えに来てもらいます。病院にはご遺体を長く置いておけないので早めに連絡してください。葬儀社が決まっていない場合は病院から紹介してもらうこともできますが費用が高くつくこともあるので、できるなら事前に葬儀社を探しておきましょう。
病院で亡くなられた場合は、その場で死亡診断書が渡されます。自宅等で亡くなった場合は医師に死亡確認を行ってもらったあとに死亡診断書が渡されます。自宅で最期を看取る場合は、往診してくれる医師を探しておいてください。
※死亡診断書がないと火葬や葬儀が行えません。
②安置
自宅での安置が可能であれば故人を自宅へ搬送します。スペースがなく自宅への安置が難しいなら葬儀社がもつ安置施設に搬送してください。ただ、葬儀社の安置施設の場合、火葬日まで対面できない可能性があります。対面できるとしても有料になることもあるので事前に確認しておきましょう。
③打ち合わせ
故人を安置したら葬儀社と打ち合わせを行います。火葬する日、菩提寺の確認、返礼品や食事がいるかなどを相談していきます。直葬はお通夜と告別式がないため相談の時間も差ほどかかりませんが、それでも葬儀を経験したことがない人にとっては分からないことだらけで迷うかもしれません。
事前にある程度の内容を決めておくとスムーズに相談が終わるため、お葬式の準備は早めにしておく事をおすすめします。
④納棺・出棺
納棺とは故人を棺に納める儀式のことです。自宅で安置している場合は納棺が行えますが、葬儀社預かり安置だと納棺されたまま火葬場で対面となることもあります。棺には故人が好きだった物やお花を入れて最後のお別れを行います。
棺には不燃物が入れられないため、葬儀社には何を入れていいか確認しておくといいでしょう。また、直葬の場合は「お別れの花」の料金が含まれていないことが多いので、必要な場合は追加料金となることもあります。
⑤火葬
火葬場で故人とお別れする時間は10分~20分くらいです。お坊さんをお呼びする場合は5分ほどの読経を行ってもらいますが、火葬場で読経ができない場合は出棺前に行います。
火葬には1時間半ほどかかるため遺族や親族は控室などで待機しておきます。この時にお弁当を振舞う方もいますが、食事を出すかは遺族が自由に決めて構いません。
火葬場には軽食(お菓子やお酒・ソフトドリンク)が売られているので、それらをお出ししてもいいでしょう。
⑥骨上げ
骨上げとは火葬後のお骨を骨壺に納めることです。2人1組になってお骨を同時につかんで骨壺に納めていきます。喪主から順番に血縁の深い順に骨上げを行ってください。骨上げが終わったら解散となりますが、お店などを予約しておき食事して帰られることもあります。
骨上げ後に喪主から簡単な挨拶をすることもありますが、直葬の場合は省略しても構いません。親戚や知人がお帰りの際に「本日はありがとうございました。」と言うだけでも大丈夫です。
⑦葬儀社へ支払い
葬儀社への支払いは基本現金となりますが、ローンやクレジットカードが使える所もあります。現金で支払う場合は葬儀終了後から1週間以内にしている所が多いですが、葬儀社によっては2日以内と短い場合もあります。
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直葬にかかる時間について
ご臨終から火葬までにかかる時間については大体2日~3日程が多いです。法律により24時間以内に火葬できない決まりがあるため、亡くなってから1日以上は安置しておかなければなりません。
火葬の日程は葬儀場の混み具合や菩提寺があるなら僧侶の都合を確認しながら決めていきます。人口が多い都市や年末年始で火葬場が休みの場合は予約が取りずらく、火葬までに1週間以上かかることもあります。
直葬の所要時間についてはご遺体の火葬に1時間半ほど、その他のお別れ時間を含めても2時間程度で終わります。火葬時間は朝10時から14時の間に行います。
直葬の手順について。どんな準備が必要?
直葬(火葬式)は簡素な葬儀なので準備の手間は少ないですが、それでもやっておきたい事がいくつかあります。
何の準備もしないとトラブルになることもあるので、ここでは直葬するための準備について詳しく説明いたします。
①親族や菩提寺の許可を得てく
直葬はお通夜や告別式の儀式を省略するため、親族や菩提寺の理解が得られずトラブルになる事があります。
親族の中に宗教的儀式を重んじる方がいると直葬に対して反感を持たれる可能性があります。直葬だとみずほらしくも見えるため、「お金をケチってみっともない」など非難されたり、「お通夜や告別式をしないなどもってのほかだ」と叱られるケースもあります。
菩提寺がある場合ですと儀式を省く葬儀だと供養がしてもらえず、お寺のお墓に納骨できないことがあります。葬儀社から僧侶を呼べば供養して頂けますが、菩提寺がある場合は直葬だと揉めることがあるので注意してください。
以上のことから、直葬にする場合は事前に親族と菩提寺の了解を得ておくようにしましょう。
②直葬ができる葬儀社を探しておく
直葬はシンプルな葬儀な上、葬儀社の段取りが必須とも言える葬儀方法です。不慣れな葬儀社ですと火葬場でのお別れ時間が極端に短くなったり、モタツキがあると満足にお別れできないかもしれません。
直葬はお別れ時間がとても短いお葬式ですので、そういった点をよく理解し遺族ができるだけ望むような葬儀をしてくれる葬儀社を探しておく必要があります。
また、葬儀費用には定価がないため、同じ直葬の内容なのに10万の差が出てしまう事もあります。価格設定が高い葬儀社を見分けるには見積りを取って比較するしかないため、3社くらいを比較してから葬儀社を決めてみてください。
③誰を呼ぶか決めておく
お葬式で頭を悩ます問題の1つが参列者の選定です。特に直葬だと親族や親しい人達だけで葬儀を行うため、誰をお呼びするかは慎重に決めなければなりません。
親戚の方をお呼びしないと「なぜ葬儀に呼んでくれなかったんだ」とお叱りを受けることもあるので、どこまでの範囲を呼べばいいか迷われた場合は葬儀社に相談しながら決めてみてください。
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まとめ
直葬(火葬式)の流れについて説明しましたが、喪主がすることは少ないため葬儀社や火葬場のスタッフの指示に従いながら進行すれば迷うこともありません。
大切なのは事前の準備で、直葬をしっかり行ってくれる葬儀社を探すことが1番重要となります。対応が悪い葬儀社や価格が高い所に依頼しないためにも、早めに葬儀社を探しておく事をおすすめします。
葬儀社の価格を比較する際は見積りを取って比べることが必須ですが、複数の葬儀社から見積りを取るのは時間もかかり大変です。
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