直葬(火葬式)はお通夜や告別式を省き火葬のみ行うシンプルな葬儀形式です。
葬儀に必要なものが最小限ですむので、費用が抑えられ経済的な理由で直葬を選ばれる方も多いですが、いくつか注意しなければならないことがあります。
直葬を選び後悔される方もいますので、ここでは直葬のメリットやデメリットについて詳しくご説明します。
直葬のメリットは様々な負担が少ない
直葬は火葬しか行わない葬儀なので、葬儀代が抑えられ参列者の対応に追われないのがメリットです。
では、具体的なメリットを説明しますのでご覧ください。
メリット①:費用が抑えられる
一般的なお葬式ですと150万~200万ほどのお金が必要ですが、直葬にかかる費用は20万~30万と安く抑えられます。
直葬は式場や祭壇・供花などが不要ですし人件費も少なくすみます。葬儀に必要なものが最低限でいいため、費用を抑えたいなら直葬はおすすめです。
また、直葬といってもお坊さんを呼んで葬儀するか・しないかでも金額が変わり、お坊さんを呼ばないのでしたら仏具やお布施が不要なので10万~20万くらいに抑えられます。
あとは価格設定が高い葬儀社と安い葬儀社があるため、何社か見積りを比較してから選ぶようにしましょう。
メリット②:葬儀の手間がかからない
直葬は火葬だけしか行わないため、式場選びやどんな食事を用意するかなど、準備の手間がかからないのがメリットです。
一般的なお葬式だと参列者の数を予想しながら葬儀内容を決める必要があり、例えば、お通夜の料理を何名分用意するのか、参列者の数に合わせた式場選びなど、色々と葬儀内容を考えなければならないので大変です。
一般葬だとお通夜には通夜振る舞いを用意しますが、参列人数が分からない中で注文数を決めるので費用に無駄が出ることもあります。
他にも、頂いた供花を並べる際には順番に注意しないと親族から文句を言われることもありますし、香典を受け取る受付係を決めたり、喪主が様々な場面で挨拶するなど一般葬はやる事が多くとにかく大変です
その点、直葬(火葬式)なら、ほとんど手間がかからず葬儀が行えます。
メリット③:精神的な負担が少ない
直葬は基本親しい人達が集まるお葬式なので精神的な負担が少なくなります。
普通のお葬式ですと参列者の対応や挨拶など、来ていただいた方に失礼がないよう「おもてなし」を行います。家族が知らない方も多くいらっしゃるため気疲れすることも多いです。
一般葬だと葬儀に2日間必要ですが、直葬なら2時間足らずなので体力的な負担が少ないのもメリットになります。
直葬は火葬する前に若干のお別れ時間があるだけなので参列者側の負担も減るのがメリットです。
例えば、親戚や友人が高齢で体力的な負担がかけられない、遠くから来られる方だと日帰りできるので宿泊費などの負担もかかりません。
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直葬のデメリットは人がらみの問題が増える
直葬だと費用や準備の手間などの負担が少なくなりますが、親族や菩提寺と揉めたり葬儀後に弔問が多くなるというデメリットがあります。
では、直葬にする際に知っておきたい3つのデメリットについてご説明いたします。
デメリット①:親族から不満が出ることがある
直葬は宗教的儀式を省くお葬式方法なので、「しきたり」を重んじる親戚がいる場合は反対される可能性があります。
「お通夜や告別式を行わないなんてもってのほかだ」「お坊さんを呼ばないなんてありえない」など、しきたりを無視した葬儀方法は親戚との関係にしこりを残してしまうかもしれません。
デメリット②:菩提寺のお墓に入れないことがある
檀家となっているお寺がある場合、直葬(火葬式)だとお墓への納骨を拒否される可能性があります。
本来の葬儀はお通夜と告別式にお坊さんを呼び供養してもらいますが、直葬だとそれらの儀式がありません。
宗教的儀式を省く葬儀だと供養をお断りしてるお寺もあるため、菩提寺(お付き合いしてるお寺)がある場合は注意してください。
デメリット③:葬儀後に弔問が多くなることがある
直葬に参列される方は親族や仲の良かった人達が中心となるので、参列できなかった人が葬儀後に自宅へ弔問されることが多くなります。
弔問が1人や2人ならいいですが、故人の交友関係が多いと次々に訪れる弔問に遺族は苦労するかもしれません。
特に教師など人と接する職業だった場合は生徒の弔問が増えると言われています。他にも、自治会長をしていたり、仕事がらみの知人が多い場合も注意した方がいいでしょう。
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悔いの残らない直葬にするためには
直葬(火葬式)にする際の注意として、事前に知っておきたい事とやっておく事についてまとめました。
悔いの残らないお別れにする為にも、説明する注意点をよく見ておいてください。
注意①:お別れ時間が短い事を心得ておくこと
直葬のお別れ時間はとても短く、火葬場でのお別れ時間は10分~20分ほどになります。
亡くなってから火葬までの間を自宅に安置できるならお別れする時間もありますが、葬儀社へ預けると火葬日まで対面できないかもしれません。
葬儀社が持つ式場があれば安置室で対面も可能ですが、最近は専用の安置場所へ安置する葬儀社も増えているので、それだと自由に対面できなかったり別途費用を出して対面ということもあります。
お別れ時間が短いことが原因で「しっかりお別れできた気がしない」「心にぽっかり穴が開いたまま」と言う方もいますので、十分に検討した上で直葬を選んでください。
注意②:ご遺体の安置場所によっては追加費用が必要
直葬は費用が抑えられるのがメリットですが、安置場所を葬儀社にしてしまうと追加費用で高くなる場合があります。
故人の安置にはご遺体の腐敗を防ぐためドライアイスが必要です。この費用は1日毎に6,000円~10,000円ほどかかります。
また、葬儀社に預けると安置施設利用料も必要なので、さらに1日毎に4,000円~10,000円が必要となります。
自宅に安置できればドライアイス代だけで済みますが、葬儀社に預ける場合は安置施設利用料も掛かってくるので覚えておいてください。
また、年末年始や人口が地域だと火葬までに1週間以上かかる場合があります。亡くなるタイミングによっては安置費用が高くなるかもしれません。
注意③:親族や菩提寺と話し合っておくこと
直葬のデメリットでも説明しましたが、親族の中には直葬に反対される方がいたり、菩提寺ですとお寺にあるお墓に納骨させてもらえない事があります。
そのため、早めに直葬にしたい旨を伝えておき了解を得ておく事が大切です。
最初は抵抗されるかもしれませんが、例えば経済的な事情でどうしても普通の葬儀ができないということなら理解してもらえるかもしれません。
決定事項としてお話すると揉めやすいので、相談するような形で説明すると理解も得やすいです。
注意④:お呼びする人を決めておくと安心
葬儀をする際に悩むことの1つに「誰をお呼びすればいいか?」という問題があります。
直葬ですと基本的には遺族や親戚が中心ですが、親戚はどこまでの範囲を呼べばいいのか?仲の良かった友人はどうするのか?など、参列者の選定に悩むかもしれません。
親戚の場合だと葬儀に声をかけなかったことで「なぜ呼んでくれなかったんだ」と叱られることもあるため、参列者の選定には注意が必要です。
誰をお呼びすればいいか迷われる場合は葬儀社にも相談できますので早めに聞いてみてください。
注意⑤:葬儀社とは事前に相談しておくこと
直葬はシンプルな葬儀内容ですが、亡くなってからどのような対応をしたらいいか初めての方にはよく分からないと思います。
直葬の段取りを知っておけば慌てることもないので、早めに利用したい葬儀社を探し相談しておきましょう。
また、葬儀社によって価格設定がバラバラなので、金額が高く付くこともあります。例えばA社だと15万なのにB社だと30万必要という事もあるため、価格を比較してから葬儀社を選ぶことをおすすめします。
直葬は簡素な葬儀であるゆえ、葬儀社の対応で良し悪しが大きく変わります。
火葬場を熟知している葬儀社でないと準備にモタツキお別れ時間が極端に短くなったりするため、納得できない葬儀になるかもしれません。
葬儀社を見る際は、対応が早いか?葬儀経験が豊富で直葬について熟知しているのか?を確認しておきましょう。
まとめ
直葬(火葬式)のメリットとデメリットをまとめると
- 費用が抑えられる
- 葬儀の手間がかからない
- 精神的な負担が少ない
- 親族から不満が出ることがある
- 菩提寺のお墓に入れないことがある
- 葬儀後に弔問が多くなることがある
直葬のメリットは費用や葬儀準備の手間が減るなど、様々な負担が軽くなる点です。逆にデメリットとなるのが親族や菩提寺の反対があったり、自宅への弔問が増える点になります。
メリットとデメリットを天秤にかけ、納得できるお別れにできそうなのかしっかり検討してみてください。
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