お通夜をやらず告別式のみ行う一日葬は、葬儀代が安くなったり葬儀の手間が少なくなるなどのメリットがあります。
しかし、菩提寺や親戚とトラブルになったり、葬儀後の弔問が増えるなどのデメリットがあるので注意しなければなりません。
ここでは一日葬とはどんな葬儀でどんなメリットとデメリットがあるのかについて詳しくご説明いたします。
目次
一日葬の葬儀内容について
通常のお葬式だと1日目にお通夜、2日目に告別式を行いますが、一日葬はお通夜を省き告別式しか行わない葬儀方法になります。
お通夜にあたる時間についてはどのように過ごしても構いませんが、親戚と一緒にゆっくりと故人を見送られる方は多いです。
告別式には親戚だけでなく故人の友人・知人などをお呼びしてもいいですが、参列者を仲の良い人達だけに限定するなど遺族が自由に決めて構いません。
全国的にはまだ利用率が低いですが、都心部では簡素な葬儀を望まれる方が多く、葬儀社によっては半数近くが一日葬という所もあります。
一日葬のメリット
①体力的・精神的な負担が軽減できる
一日葬は1日しかお葬式を行わないので、接待や準備などの時間を軽減できるのがメリットです。
普通のお葬式ですとお通夜には一般の会葬者が参列し、遺族は食事もできないほど慌ただしくなるなど体力的な負担がかかります。
また、遺族が知らない人も多く参列されるので、気疲れなど精神的な負担も大きいですが、一日葬ならそれらの負担は少ないです。
お葬式を経験しないと分からないですがお通夜は何かと忙しいので、負担を減らしたい人は一日葬が向いています。
②仕事への影響が少なく参列者の負担も軽い
1日だけの葬儀なら仕事への影響も少なくすみます。葬儀社との打ち合わせや参列者への連絡に1日は必要ですが、仕事を休みずらい人だと一日葬にするメリットは大きいです。
また、2日間のお葬式ですと親族はお通夜と告別式のどちらにも参列することが多いですが、一日葬なら告別式だけなので親族の負担も軽くなります。
2日間の葬儀に遠方から来られる人ですと宿泊施設を利用しなくてはなりませんが、一日葬なら日帰りできるので金銭的な負担も少ないです。
③費用が抑えやすい
一日葬は1日分の式場費・人件費・飲食費が抑えられるので、2日間行う葬儀に比べると費用は安くなります。
ただ、葬儀社によっては前日から準備しないと間に合わないこともあるため、その場合は式場費と人件費が2日分必要です。
葬儀の日程は半分ですが、費用が半分まで安くなることはないので覚えておいてください。
ちなみに、一日葬にかかる費用の相場は100万円程になります。詳しい金額は、こちらの記事を参考にしてください↓
一日葬のデメリット
①やり方によって故人とのお別れ時間が短い
一日葬ですと故人とのお別れ時間は告別式だけとなります。
自宅に安置したり葬儀社が持つ故人と一緒に過ごせる部屋などあればいいですが、安置専用施設にしか預けれない場合だとお別れする時間が短いかもしれません。
葬儀社には故人とのお別れ時間がどれくらい取れるのか確認しておき、納得できなければ2日間の葬儀を検討してみてください。
※葬儀社によっては告別式の時間を長めに取ってくれる場合があります。式場の都合もありますが、葬儀の内容は比較的自由に決めれるので遠慮せず相談してください。
②葬儀後に自宅へ弔問が増えやすい
本来ならお通夜に一般会葬者が参列するはずだったのに、午前中から始まる告別式だと時間が合わず参列できないという方もいらっしゃいます。
そのため、葬儀が終わってから自宅へ弔問される人も増え、故人の交友関係が多いと次から次に来る弔問客の対応に遺族は疲れてしまうかもしれません。
特に教師など人と接する職業だった場合は生徒が大勢駆けつけることもあるため、故人の交友関係を考慮しながら一日葬にするか決めてみてください。
③菩提寺や親族の許可が得らないことがある
一日葬は宗教的儀式を省くお葬式ですので、菩提寺や親戚から反対される場合があります。
菩提寺(お付き合いしてるお寺)があるなら一日葬にすることを前もって相談しておかないと、先祖代々のお墓に入れないかもしれないので注意してください。
※約2割くらいの寺院では一日葬の供養をお断りしていると言われています。
親戚についてもお通夜をやらない葬儀に反対される可能性があるため、前もって了承を得ておきましょう。
一日葬はどんな人に向いてる葬儀?
一日葬のメリットとデメリットを説明しましたが、最後にどんな人に向いている葬儀なのかご説明いたします。
故人の交友関係が少なく参列者に高齢な方が多い場合
故人の交友関係が少なければ葬儀に参列できなかった人がいても、自宅への弔問がそこまで多くなる心配がありません。
また、親戚が高齢の場合、2日間の葬儀だと参列するのに体力的な負担がかかるため、それなら1日ですませられる葬儀にした方がいい場合もあります。
参列者が少なく高齢者だけとなる場合は、一日葬を検討してみてください。
お通夜にあたる時間を自由に過ごしたい場合
かしこまった葬儀の需要が減りつつあり、今は比較的自由な葬儀にされる方も増えています。
例えばお通夜にあたる時間については僧侶など呼ばず親戚や仲の良かった友人だけで食事をし、2日目の告別式では「しきたり」を重視した葬儀にされる方もいます。
昔ほど宗教的儀式を重んじる人も少なくなってきたので、お通夜にあたる日を仲の良い人達で語り合いたいなら一日葬を検討してみてください。
費用を抑えたいが儀式も重んじたい場合
できるだけ費用を抑えたいが僧侶を呼んで供養してもらい人にも一日葬は向いています。
2日間の葬儀に比べ大幅に安くなるわけではないですが、それでも通夜振る舞いの料理を用意すれば1人5000円くらいはかかるので、参列者が30人だと15万くらいは安くできます。
葬儀社によっては人件費や式場費も安くなるため、費用について心配な方は早めに相談しておきましょう。
まとめ
一日葬のメリットとデメリットをまとめると
- 体力的・精神的な負担が軽減できる
- 仕事への影響が少なく参列者の負担も軽い
- 費用が抑えやすい
- やり方によって故人とのお別れ時間が短い
- 葬儀後に自宅へ弔問が増えやすい
- 菩提寺や親族の許可が得らないことがある
一日葬にする際の注意として、故人の交友関係が多い場合は2日間の葬儀にした方がいいかもしれません。
あとは菩提寺と親戚の許可を得ておけば問題ありませんので早めに相談しておきましょう。
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